2008年12月31日

紅白烏兎合戦08-09

年越しTCGを開催します。
ルールはTCGWエクステンデッド準拠。
赤烏チームと白兎チームに分かれての団体戦なのは昨年と同じです。
※今年は「大将」はおりません。
※昨夜、思いつきで開催を決定したので参加人数は4名です。
※23:30頃から、【ここ】で処理が見られます。
※たぶんギャラリーによる実況は【こっち】です。
※そば食ったり酒飲んだりしながらまったり進行するので、暇な人は気長にご覧ください。
参加キャラを見る
posted by 黒猫 at 23:09| 東京 ☀| Comment(45) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月04日

TCGがらみのゲーム

アプレットを使って作ったTCG関係ゲーム等が増えてきたので、整理のためにリンクしておきます。

  ●妨げられるもの デスキャベツ
  ●りもら崩し
  ●King of Flickers '08
  ●オルテ雀(ver0.6)
  ●堕納豆ハラスメント

今やってみると、堕納豆の「ブロックが見えない」というのが理不尽すぎて笑える。


posted by 黒猫 at 09:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月24日

参加者を公開しました

総勢22名の参加者を公開しました。
迷宮探険競技の特設ページはこちら

開始1ターン目にして財宝が2つとも拾われてしまいました。
そして、迷宮の6ヶ所で戦闘が勃発。
2ターン目の先攻を取るか取られるかが命運を分ける感じのキャラも何人か。予断を許さない展開です。

そして、4ターン目。凶暴なMeteoraが成長しながら北上しています。
このまま育ったら、誰も手がつけられなくなる予感。
「Meteoraに遭遇しないようにして財宝を持ち帰るゲーム」になってしまう。

●乱数発生ソフト「乱歩」
http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se123548.html
TCGやるときに便利です。
posted by 黒猫 at 22:53| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(3) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月20日

迷宮探検競技、開催。


「迷宮探険競技」をやってみることにします。
 概要は前回書いた通りですが、もう少し細かく説明します。

■目的
10×10マスの迷宮を探険して財宝を持ち帰ること。

■ルール
・キャラクターの開始位置はランダムに決定される。
・キャラクターは1ターンに1マス進む。行動順は体力+サイコロ1個で決定する。行動順は戦闘における先制判定も兼ねる。
・特に指定が無ければキャラクターは道が分岐するまで歩き、分岐したら今自分が来た道以外から均等な確率で選ぶ。
・他のキャラクターと遭遇した場合、戦闘を行なう。
・プランで指定があれば自分の行動順の最初に「逃走」を試みることができる。逃走は1/2の確率で成功し、戦闘から離脱して1マス離れた位置に移動できる(方向はランダム)。
・逃走に失敗した場合、すべてのパネルが使用済みになり、ターンの終わりにパネルが未使用状態に戻らない。
・逃走を2ターン連続で行なうことはできない。
・1マス歩くごとにHPは1点回復する。
・戦闘による敗者が出てから次の敗者が出ないまま100ターンが経過した場合、そのとき財宝を持っている者を勝者とする。誰も財宝を持っていなければ生き残った者でバトルロイヤルを行ない勝者を決める。

■迷路にあるもの
・出口
  2つあります。出口は必ず外壁に面しています。
・財宝
  1つあります。これを持って帰れば勝ちです。
・ニセ財宝
  1つあります。キャラクター(とプレイヤー)は薄暗い迷宮の中で、財宝とニセ財宝を見分けることはできません。出口まで持って行って明るい外の光に晒した時のみ、真偽がわかります。ニセ財宝を見破ったキャラクターはニセ財宝を投げ捨て、競技を続行します。

■迷路の歩き方
 プランで指定して、迷路の歩き方を決めることもできます。
 キャラクターが知り得る迷路の情報は、以下の通りです。
※キャラクターは地図を記憶せず、現在自分が居るマスの状況しかわかりません。

・壁の種類
  外壁と内壁の違いはわかります。
・倒れているキャラクターの情報
  「イアテムの呪いの剣を習得しているキャラクターが倒れているのを見つけたら、来た道を引き返す」といったプランは可能です。
・敵が財宝を所有しているかどうか
  宝を持っていない相手との戦闘を避けるのも一つの手です。

■現行ルールの変更点
・そのスキルを使っても使わなくても結果に変化が無いことが判明している場合、「安らぎ」「修復」「空圧」「楽園の抱擁」は無駄打ちしません。
・スキルの発動パネルを選べる状態なら、Poisonによるダメージが少ないパネルを優先して使います。
・3人以上の戦闘では「野良試合バトルロイヤル」ルールを使用。

 スキルパターン変更を「ターン最初」だけにすると、行動順が後のほうが有利になる場合があるので、ターン内の出来事を次のような順番で解決します。

1.前ターンに戦闘を行なわなかったキャラクターは、HPが1点回復します。
2.全キャラクターの行動順の決定。
3.ステータス異常の回復。
4.ステータス異常の適用。
5.非戦闘中のキャラクターは、順番に移動します。すでに戦闘中であるか、このターンの移動によりエンカウントが発生したキャラは、この時点ではまだ戦闘処理をしません。
6.キャラが全員移動し終わった時点で、戦闘開始。戦闘中のすべてのキャラは、プランによるスキルパターン変更を行ない、行動順の早い者が遅い者に対して先攻をとります。
逃走によって1マス動いた先でさらにエンカウントが発生した場合、次ターンはそのキャラクターとの戦闘になります。
7.維持のチェック。
8.戦闘状態を解消したキャラクターはスキルの維持を解除し、スキルパターンを一番上に戻します。
9.パネルが未使用状態に戻ります。逃走の失敗、陥穽などの影響下にあるパネルは戻りません。
10.経験を得ているキャラクターが非戦闘状態であれば成長します。
※逃走に成功したキャラクターが逃走先でエンカウントした場合、戦闘は間断なく続行されているものと解釈し、次のターンはそのキャラクターと戦闘を行います。
11.ターン終了。

■締め切り
 キャラクター応募の締め切りは12/23の24時です。
 参加希望者は、下記メールアドレスまでお送りください。
 画像とか壮大なBGMを添付するのもOKです。いつも通り、多角経営もアリ。

※このゲームに応募したキャラクターの設定は、第三者の作品等に登場する可能性があります。設定の流用・追加・改変を許可しない場合、その旨をメールに書いておいてください。このゲームの設定は、ゆらぎの神話およびファイアマインドの住み処に帰属します。

キャラクター応募先 quox_game@nifmail.jp


 いつものように9点キャラを作って送っていただければ良いわけですが、ちょっと違うところがあります。
 今回は敵を一人倒すごとに経験値が1点加算され、最大で+5点までキャラクターが成長します。そのため、成長の指示を事前に書いておいてください。経験を5点ぶん得たキャラクターは、レベル3スキルを習得できます。

■キャラクター書式例

※成長によって後から追加する部分は、行頭に「#」をつけておいてください。
※成長が行なわれるタイミングは戦闘終了時です。
名前:妖術使いオルテニア
体力:4(+1)
反射:4(+2)
知力:1(+2)

スキル
# 岩穿〔いわうが〕ちの剣〔けん〕
毒牙〔ポイゾナスファング〕
報復〔アベンジャー〕
# 修復〔レストア〕
安らぎ〔レスト〕

スキルパターン
A 剣地水水(地剣)
# B 水水水水地(剣)
# C 剣地水剣地水

プラン
1.HPが最大値の1/3以下になったら逃走する。
# 2.HPが最大値の1/2以下になったらパターンをBに変え、1/2を上回ったらB以外のパターンからランダムに選ぶ。
# 3.財宝を所持している場合、分岐点では外壁に沿った道を優先する。

成長:
1点目:体力+1
2点目:反射+1。スキルパターンAに「地」パネルを追加。
3点目:知力+1。スキルパターンBを追加。「修復」を習得。プラン2を追加。
4点目:反射+1。スキルパターンA・Bに「剣」パネルを追加。
5点目:知力+1。スキルパターンCを追加。「岩穿ちの剣」を習得。プラン3を追加。

設定:オヤジくさい妖術使い。納豆まみれになったりする。なぜか妙な競技に参加することになってしまった。

■FAQ
783 名前:言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2007/12/20(木) 05:36:36
>>782
質問
経験値をためておいて、あとで一気に成長させることは可能ですか。

784 名前:782 投稿日: 2007/12/20(木) 09:35:05
可能です。4点目を溜めておいて5点目と同時に使う場合、以下のような書き方でお願いします。

4点目:保留。5点目と同時に使う。
5点目:知力+2。スキルパターンC・Dを追加。「災厄の剣」「キュトスの羊膜」を習得。プラン3・4を追加。

785 名前:言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2007/12/20(木) 15:54:16
>>782
Q:逃走失敗した場合、既に効果を維持している霧の防壁などのスキルはどうなりますか?
1:既に使用済みであるので維持スキルはそのまま(発動したものがち)
2:維持スキル全ては解除される(逃げたら無防備)

Q:状態異常は敵を倒す・逃げるなどしても自然回復しないのでしょうか?

787 名前:782 投稿日: 2007/12/20(木) 17:01:06
>>785
A:1です。逃走の失敗は、既に維持されているスキルに影響しません。

A:自然回復する種類の状態異常であれば、移動中でも回復のチェックは毎ターン行ないます。
毒などは自然回復しませんが、毒のついたパネルを使用しない限りダメージを受けないので移動中は無害といえます。

補足:「維持」の解釈

迷宮探険競技での「維持」は、「このターンの終了時、該当するスキルの発動パネルが未使用状態に戻る権利を放棄する」というコストを支払って、「次ターンの開始時にスキルを既に使用したものとして効果を維持できる」ものと解釈します。

したがって、前ターンに維持コストを支払ったスキルは、逃走を失敗したターンに維持を解かれることはありません。
ただし、逃走に失敗したターンの終わりにある維持チェックでは「発動パネルが未使用状態に戻る権利」をそもそも有していないため、維持コストを支払うことができません。
よって、逃走に失敗したターンの次のターンは無防備になります。
戦闘が終了した場合、維持は解除されます。すべてのスキルは、戦闘中以外に維持も使用もできません。

786 名前:言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2007/12/20(木) 16:45:54
財宝をもっているときに逃走した場合、財宝を持ったまま逃げられますか?

788 名前:782 投稿日: 2007/12/20(木) 17:05:43
>>786
はい。持ったまま逃げられます。

「キャラクターは1ターンに1マス進む」とありますが、例えば待ち伏せ戦略を考えて、移動しないという選択は出来るのでしょうか?
Posted by RAY at 2007年12月20日 17:05

可能です。
待ち伏せを開始する条件と解除する条件をプランに書いておいてください。
また、ターン経過によるHPの回復と状態異常の回復チェックは、戦闘中でさえなければ止まっていても適用されます。
回復はターンの最初に起こります。

793 名前:言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2007/12/20(木) 19:58:19
質問です。
「分岐点では外壁に沿った道を優先する。」というプランでの「コ」の字のようなルートがあるとして「コ」の右側縦線が外壁だとした場合に、その場を往復するのかしないのか、気になります。
この場合プランの通り延々と同じルートを往復するのでしょうか?
それとも基本ルールに則って来た道は除外するのでしょうか。

796 名前:782 投稿日: 2007/12/20(木) 22:16:14
引き返すような指示が無い場合、来た道を選択肢には含めないものとします。
そのため、「外壁に沿った道を優先する」と指定しても「コ」の字を往復はしませんが、もし外壁に沿った「ロ」の字型の回廊があったとすると回り続けます。

プランで指定がある場合は、引き返したりその場に留まったりできます。
ただし、「留まる」「引き返す」といったプランは解除条件も指定しておかないと留まり続けたり、決まったルートを往復し続ける危険があります。ご注意ください。

補足:経験値の入る相手

誰かが倒れた場合、経験値を得るのは「倒れたキャラクターに、最後にダメージを与えた者」とします。
また、「毒」はキャラクターではないので、毒のダメージで誰かが倒れても毒に経験値は入りません。経験値は、その直前にダメージを与えた者に加算されます。

例:霧の防壁を3重でかけた相手に毒牙で攻撃した。軽減されてダメージは0点だったが毒を与えた。その後、敵は逃走した。

逃走した相手が毒によって倒れたら、毒牙の0点ダメージを与えたキャラクターが経験値を獲得します。
ただし、別のキャラクターが後から0点でもダメージを与えていれば、毒によって倒れたとしても経験値を得るのは最後にダメージを与えたキャラクターです。

経験値の権利者が既に倒れている場合、経験値は誰にも加算されません。
posted by 黒猫 at 05:06| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月18日

迷宮探険競技

 TCGを拡張するルールをもうひとつ考えました。
 題して「迷宮探険競技」。

 主催者は10×10マスくらいの方眼紙に、迷路を書きます。
迷路には領域として閉じた部分が無く、必ず外壁のどこかにある「出口」と繋がっています。
 また、迷路のどこか1箇所に「財宝」を配置します。

 参加者は通常と同じようにキャラクターを作って応募しますが、プランの中に「迷路を歩く時の方針」を書き込みます。
 オーソドックスに「片手を壁にあてて歩いて行く」でも良いですし、「道が分岐した場合、自分が歩いてきた方向以外の道を均等な確率で選ぶ」でも良いでしょう。

 キャラクターは迷路のランダムな場所に配置され、「財宝」を手に入れて出口へ向かわなければなりません。
 キャラクターが歩けるのは、1ターンに1マス。もし他の参加者とエンカウントしたら、戦闘が始まり、敵を倒した者だけが探険を続行できます。
 財宝を発見したからと言って、安心はできません。せっかくの財宝も、敵に倒されたら奪い取られてしまうでしょう。中には、財宝を探さずに出口の前で待ち伏せしている狡猾なキャラクターも居るかもしれません。

 さあ、誰が無事に財宝を持って生還できるでしょうか。


 荒削りですが、イメージとしては手動の「トルネコの大冒険」みたいな感じ。
 本当なら戦闘ターンと他の参加者の移動ターンが連動していて、1対1で戦ってる最中にさらにエンカウントが起きて第三者が乱入してくると面白いのだけど管理が大変かなぁ。

 TCGTほど面倒でもなさそうなので、GMやっても良い人という人が居たら是非やってみてください。10ターンおきぐらいに各キャラの現在地と進行方向を見せてもらえると盛り上がりそう。

 そうそう。TCGTもいろいろ改良している最中です。そろそろ募集しようと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 >TCGT最新ルール
posted by 黒猫 at 17:45| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月13日

戦士と魔法使いの違いを明確に


 射程を導入したときから、どうしても相対的に戦士系キャラが弱まってる気がしていたのです。
 遠距離砲撃キャラが安定しすぎていて、戦士が近寄っていくメリットがあんまりない。剣技が特別に強力なわけじゃないですしね。
 そんなわけで戦士系キャラにも見せ場を作るため、
 「自分と同じエリアにいる対象を攻撃できるのは剣技だけ」にします。
 (剣技は「発動パネルに剣を含むスキル」ですね)

 遠距離砲撃キャラは頑張って逃げまくるか、交戦状態に持ち込まれたら剣を抜いて応戦してください。
 逆に、イアテム使いは砲撃をかいくぐって接近戦に持ち込んだら有利です。
 中距離・近距離どちらも戦える「夜鳴き刃」など使い勝手よさそう。

あとでルール更新するための自分用メモ:
 ・「旋風」に方向ランダムのノックバック効果を加える。
 ・プランを処理するタイミングをターンの最初じゃなくて、自分に行動順がまわってきた時の最初にする。

おまけ。TCGT用追加2レベルスキル案:
http://quox.up.seesaa.net/tcgt/LV2plus.htm
posted by 黒猫 at 17:47| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ルールがどんどん充実していく件


 TCGTを更新。>最新版
 チャットのログとかにも面白げな案が残っているので油断できないですね。
 出された案はとりあえず取り入れてみる。それが俺のジャスティス。

 「拡大」の導入で、「爆撃」だけでなく大半のスキルが複数に同時使用できるようになりました。
 拡大のコストをわざわざ「スキルのレベルを2で割って端数切り上げ」と書いたのは、NivさんがLV3スキルの構想を練ってるんじゃないかしら、という目論見があってのことです。LV3スキルの拡大コストは1人増やすごとにパネル2枚。

 とはいえ、前々回のラジオで烏兎さんも言ってましたがLV3スキルを導入するとなると5種類のパネルの組み合わせは35。いっぺんに全部考えるのはきついですよね。
 でも、小出しに導入すると属性ごとに有利・不利が偏ってしまう(パネルが重複しない3枚の組み合わせ=10種だけ先に導入、といった方法ならアリかも)。

 「ぼくのかんがえたLV3スキルコンテスト」でも開催したら面白いのではないでしょうか。
 いろんな案が出された中から、それぞれのディストリビューションに合ったものを取り入れていく感じで。
 TCGTとしては、「陥没」みたいに場所を対象としたスキルがもっと増えると面白そう。特定のエリアに1〜6ターン毒の沼地を発生させたり、地雷のようなものを仕掛けたり。
posted by 黒猫 at 00:09| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月11日

TCG拡張ルール案


 こんなルールを考えました。>「Tournamented Celestial Gaze Tactics

 スレで誰かが言ってたけど、たしかに大規模バトルロイヤルだと行動する前に負ける可能性がありますね。

 それを緩和するためだけではないけど、戦局をいくつかに区切ることでGMの処理が多少ラクになるのではないかと考えました(全員を参照しなければならない状況が減りますからね)。

 そのぶん、新要素である「移動」の処理がどのくらい煩雑になるのか未知数。膠着状態を避けるために「狭窄」も取り入れたけど、果たしてちゃんと機能するのか。

 デバッグも兼ねてテストプレイしてみたい気もしますが、まずはスレの反応を見てからかな。

 余談。
 シーザーブログの記事をアップする時のジャンル選択で「ゲーム」の項に「オンラインゲーム」と「非電源ゲーム」があるのだけど、TCGはどっちだろう。
posted by 黒猫 at 22:30| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月06日

「ちっちゃいメテオラの小冒険」レビュー

 あがががさん作のミニゲーム「ちっちゃいメテオラの小冒険」をやってみました。

 殴ると進むだけのゲームなのであんまり戦略とか関係ないですが、そんなことはどうでもいいのです。メテオラが操作できる喜びを噛み締めましょう。

 史実に忠実なので、敵はフィアマとデスキャベツしか登場しません。しかも、たいてい最初のデスキャベツで死にます。忠実すぎです。

 何度も繰り返してデスキャベツを乗り越えましょう。ここを越えてしまうと、かなり楽になります。
 敵に与えるダメージはAT+1なので、殴る前に確認しておくと心の準備ができて良いかもしれません。

m01.gif
進んでいくうちに、こんな場面も。

m02.gif
メテオラが強くなってくると、大きい木が一番の強敵に。

m03.gif
こちらのATより微妙に大きいHPがいやらしい。

m04.gif
フィアマのATがすごいことになってるが、HPが低いので安心。

m05.gif
ついにATが1000に。HPも4000越え。

posted by 黒猫 at 17:03| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

Yはさだめ、さだめは死


 あるところに、博士と助手が居た。
 博士は人工生命の権威で、今まさに新しい生命体を作り出したところだった。
 その不定形生命体は、「Y」と名付けられた。

 博士はYがどのような生物か調べるため、箱庭を作ってその中に放してみた。
 最初は何も無い箱庭だったがYは繁殖し、細胞で海や山を作った。やがてYは人や獣に似た個体まで生み出す。
 生み出された個体は個体同士で有機的に影響しあい、あるものは廃れ、あるものは新しいものを生み出していった。

 これは面白い、と博士は思った。まるでライフゲームだ。
 博士は飽くことなく観察を続けていたが、ある日、助手のイタズラを発見する。
 外に居た生き物を、箱庭の中に放っていたのだ。
 Yは外部の生き物とも交配し、柔軟に混ざり合い、Yの生態系の一部として組み込んでいった。
 研究対象で遊んだら駄目じゃないか。
 博士は助手を注意したが、彼にとってもYが外部の生物と融合する性質は好奇心を刺激された。そこで助手に一冊のノートを渡し、外部の生物を入れるときはどんなものを入れたか書いておくように命じた。いずれ箱庭の中にいたものを取り出す必要ができたときに、元々あったものか外のものか確認できなければ困るからである。
 助手は言いつけを守ることもあれば守らないこともあったが、博士は大目に見ていた。なぜなら、箱庭の中で起きることなら博士の責任においてどうにでもできるからである。最悪の場合、Yの入った箱庭ごと焼き払う選択も含めて。
 Yが箱庭の外にさえ出なければいい、と博士は楽観していた。

 しかし助手がYと外部の生物を接触させたことは、後に大きな事件を引き起こすきっかけとなる。
 外部の生物と交配したYに芽生えたのは、「この新しいものともっと交配したい。自分の中に取り込みたい」という感情であった。
 このあたりでひとつ説明しておくが、Yはとりたてて危険で暴力的な生き物ではない。むしろ逆である。Yに取り込まれたものは何かを失うわけではないし、従来の性質が変わるわけではない。
 唯一、「それもまたYの一部である」という事実がつけくわえられるだけだ。
 したがって影響力は微弱と言えたが、Yが周囲のものと同化する能力だけは凄まじく、他のどんな生き物と比べても引けは取らなかった。

 事件は、静かに進行していた。
 成長を繰り返したYの力が、博士が想定した箱庭の強度を超えたのである。
 Yは中から箱庭を押し広げ、歪め、隙間から少しずつ流出していった。

 博士はYが逃げ出したことを知ると、頭を抱えた。
 いったん箱庭の外に出たYを回収する手段は無い。爆発的に拡散し続けるからだ。
 もはや箱庭を廃棄しようとも「無かったこと」にはできない。
 アルセスよ、なんという無慈悲な運命を私に与えるのか!
 博士はそこまで考えてから唐突に笑い出した。
 自分もまた、Yに取り込まれていたことに気づいたからである。

 Yは一夜にして世界の半分を取り込んだ。
 中には、取り込まれたことに気づかない者すら居た。それほどYの影響力は微弱であった。
 しかし、Yに抵抗しようとした者も居た。
 実害が無いとは言え、自らのアイデンティティを改竄され「Yの一部である」と書き加えられることを不服とした者たちであった。
 抵抗は徒労に終わった。
 一瞬にしてYに取り込まれ、抵抗する間もなかったからである。

 取り込まれた者たちは、自分がそれまで書き溜めた記述が「Yの一部では無い」ことを論理的に証明できないのを知った。
 そればかりか、たった今考えついたばかりのアイディアでさえも、Yの一部と言われたら否定できない現実をつきつけられた。
 こうしてYは拡散を続け、ついに全てがYとなった。

* * *


 Yが拡散を終えた時、不思議なことが起こった。
 すべてを内包するYを、内包されている誰もが認識できなくなったのだ。
 また、言語でYをあらわすことも不可能になった。
 言語とは、ある体系の中の「差異」だからである。
 色彩における「赤」は、青や黄色などの「赤でないもの」があるから認識され命名されるのだ。
 世の中にYでないものが無くなった今、Yを観測することも言いあらわすこともできはしない。
 かくして、世界に平穏が戻った。

 ただ一人、博士だけが呆けたように空を眺めていたが、自分が愛着を持って生み育てた人工生命が失われてしまったことを知ると、深く悲しんだ。

(おわり)


●設定とか

・Yはさだめ、さだめは死:
 タイトル部分は、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアのSF小説「愛はさだめ、さだめは死」をもじったものです。


【参加者必見】まずいかもスレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1195488640/
ここで議論されていることをヒントにして書いてみました。境界とは自己と他者を互いに守るもの。境界の消失は、やがて領域の消失につながるんじゃないかしら、という提言。
posted by 黒猫 at 11:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月23日

傀儡師と少女人形


 アールヴ山脈の美しい自然に囲まれた館の一室で、研究者は苛立ちを隠せずにいた。
 長女の気まぐれで、茶番劇の手伝いをさせられているのだ。
 今すぐでも研究室に戻って作業を続けたいのに、トーナメントという名の茶番はまだしばらく続くようだった。

 「少しだけど機材を持ってきたのは正解だったわ」
 彼女に与えられたゲストルームは用途も判然としない様々な機器であふれ、卓上といい床といい、縦横に配線が走り回っていた。
 これを「少し」と呼ぶのなら、彼女の研究室はどれほど乱雑なのだろうか。
 研究者は右手の人差し指と薬指で色眼鏡の縁をくい、と持ち上げてから、作業に取りかかった。
 集中してやれば、明日の朝には目処がつくかもしれない。ポケットから取り出した紐で、美しく波打つ深緑の長髪を無造作に束ねた。

 研究者が机に向かい、機械に繋がったたくさんのボタンを楽器でも演奏するようにリズミカルに叩いていると、扉がノックされた。
 「失礼します。ラクルラールお姉さま、客人がおいでになっております」
 ラクルラールと呼ばれた研修者は、憎々しげに妹を睨んだ。ここに居ると、誰も彼もが寄ってたかって彼女の研究を邪魔する。
 「来客の予定なんかないわよ。あったとしても、今忙しいから帰ってもらって頂戴」
 取り付く島もない姉の対応に、ミヒトネッセは「いえ、でも…」とだけ答えた。
 妹でありメイドでありラクルラールの被造物でもあるミヒトネッセにとって、この六番目の姉の言葉は絶対である。
 にもかかわらず従わないということは、彼女よりもっと上位の姉から指示が下っているのだろう。

 「で、誰が来たの?」
 ラクルラールは煙草を咥えた。機嫌は最悪だったが、彼女の頭脳にはそんな時ですら論理的に考えるだけの許容量があった。ミヒトネッセがもじもじしているのは、長女ヘリステラの思いつきで始まったトーナメントがらみの来客だからに違いない。
 だとしたら、さっさと用を済ませてしまうのが得策だ。トーナメントの手伝いさえ終わってしまえば、晴れて開放されるのだから。
 「ベアトリスと仰る剣士の方です」
 ミヒトネッセはつま先立って、床を這う配線や機械の隙間を飛び跳ねるようにしてラクルラールの前に立った。メイドが跳ねるたびに、ずしん、ずしんと鈍い音が響く。
 「ケーブルは絶対踏まないようにね。あなたが踏むと、たぶん断線するから」
 火をつけてもらった煙草から薄荷の香りを漂わせながら、姉は妹に釘を刺した。
 自作妹の内部には凝縮された機械が大量に詰め込まれているため、見た目からは想像もつかないほど重い。彼女の体重がかかれば、カテゴリ6のイーサケーブルなど容易に踏み切られるだろう。イーサとはエーテルのことで、魔力的な光波を伝える媒質物質だ。

 さて、ベアトリスとは誰だったろうか。
 研究と関係のないことはすぐに記憶の器からこぼれ落ちるラクルラールだったが、その名は幸運にも器の縁にひっかかっていた。
 「嗚呼。私が連れてきた人間だったかしら」
 思い出した。茶番の参加者を集めて来いと姉に言われ、彼女自ら街に出向いて連れてきた女剣士だ。
 ミヒトネッセに通された剣士は、忙しいところすまない、と侘びを告げた。
 試合は勝ったの? と尋ねようとしたラクルラールだったが、すぐに「試合は終わったの?」と言い直した。
 ベアトリスとかいう剣士が勝ったか負けたかは、瑣末な問題に過ぎない。研究者にとって重要なことは、女剣士の試合が終わったかどうかだけだった。
 トーナメントとは、ひとつの勝負が終わる度に参加者が一人減っていく方式である。試合数が進むごとに役者は消え、めでたく茶番の終幕が近づくというわけだ。

 「折角誘ってもらって残念だが、力不足だった」
 女剣士が目を伏せた。
 負けたのか。他の姉妹が連れてきた出場者が勝ち上がるのは少し癪に障るが、大目に見よう。
 「それで、敗者復活戦のことなんだが…」
 ずう、と音がした。ラクルラールが大きく息を吸い込んで、煙草が半分ほど灰になった音だ。
 「主催者発表は聞いていないのか?」
 初耳だった。
 そう言えば、長女が「参加者が少ない」と不満げに言っていたことは覚えている。まさかこんな手段で会期を延長しようとは。
 「出るの!? 敗者復活戦に!」
 ラクルラールはくらくらと眩暈がした。
 いっそ、彼女が所有する巨大な機械人形を全て出場させようかとすら思った。紀械神にも匹敵する戦力を誇るそれは、対戦相手を全員灰にして最短時間でトーナメントを終わらせてくれるだろう。
 もちろん、そんなことをすれば姉の逆鱗に触れることは想像に難くない。

 ラクルラールは、山盛りになった灰皿に煙草を突き刺した。そして机の後ろのいくらか足の踏み場がある空間を行ったり来たりしながら「どうやったら女剣士に出場を辞退させられるか」について十六通りの方法を考えたが、いずれも失敗した時のリスクが高すぎるので思い止まった。
 結局、彼女がしたことは無駄に歩き回って2本目の煙草を咥えたことだけである。すかさずメイドが火をつける。
 ラクルラールは煙草のパッケージを握りつぶし、部屋の隅に放り投げた。そこはかつてゴミ箱があった場所であるが、ゴミの山に埋まってしまっている。

 ミヒトネッセは以前、整理整頓の能力が著しく欠落したこの姉から、妙なルールを聞かされた覚えがある。
 ラクルラール曰くゴミ箱の勢力圏はゴミ箱を中心とした半径約1フィーテの範囲であり、勢力圏の中もゴミ箱とみなされるのだそうだ。
 「つまりゴミ箱とは、このあたり一帯がゴミ箱ですよ、と教えるための目印なのです。たまたまゴミが入るような形状をしているので内部にゴミを捨てる人が多いけれど」
 大まじめでそんなことを言っていた。
 ミヒトネッセが姉の部屋を掃除する時に触れていいのはゴミ箱の影響下にある物だけであり、それすら姉に「ゴミ箱を空にしておいて」と言われなければ捨ててはならない。おまけにラクルラールは、ゴミが少ないときは頻繁に捨てさせるのだが、今のようにゴミが山をなして堆積しているときほど無頓着になる。
 何かが色々と間違っていると思うミヒトネッセであったが、気弱ゆえ口に出して言ったことはない。
 「煙草が切れたわ。倉庫に買い置きがあるから取ってきてもらえる?」
 メイドはベアトリスに一礼して部屋から出て行った。

 「客人よ。あなたは敗者復活戦に出場登録をしたいと言うのですね?」
 万策尽き果てたラクルラールが、観念したように念を押した。確か、手続きは何枚かの書類に記入しなければならない決まりだったはずだ。あの紙は何処にやっただろうか。
 研究者は、机の中を引っ掻き回した。
 「ええ。しかし、出場するのは私ではなく、代理の者だ」
 剣士はそう答えたが、誰が出ようが手続きの手間は変わらない。生返事をしながら書類を捜すラクルラールの手が、ぴたりと止まった。妙案が浮かんだのだ。

 茶番を始める前に、長女ヘリステラは皆に言った。
 「仲介者の姉妹は、出場者が試合に臨めるよう充分便宜を図れ。出場者は客人なのだから、優勝するか負けて出場権を失うまで滞りなく面倒を見るように」
 この言葉を拡大解釈すると、ラクルラールが仲介を担当したベアトリスは「負けて出場権を失った」ことになる。
 本人が敗者復活戦に出るのなら出場権は保持されるが、代理の者まで面倒を見る義務は無いのではないだろうか。
 無いはずだ。
 無いに違いない。
 そこまで思い至ると、ラクルラールは大声でミヒトネッセを呼んだ。
 新しい出場者の担当をメイドに押し付けようと思ったのだが、倉庫からまだ戻ってこない。
 ミヒトネッセでなくとも良い、と六番目の姉は考え直した。妹はたくさん居るのだ。誰がやっても構わない。
 「誰か居ませんか。居たら、ちょっとこっちに来て頂戴」

 ぱたたた、という軽い足音と共にやって来たのは少女の姿をした人形だった。ミヒトネッセと同様、彼女の体はラクルラールが造ったものだ。
 「お呼びですか、お姉さま」
 少女はスカートをつまんで膝を曲げ、客人にお辞儀した。ラクルラールは当てが外れたような顔をしたが、「ラプンシエル…。この際、あなたでもいいわ」と呟いた。
 そして、やおら少女の顔を指差して「今からあなたを客人の仲介者に任命します」と宣言した。
 「ヘリステラ姉様が催しているトーナメントは知っていますね? 私はこちらの客人の担当をしていましたが、客人が出場権を第三者に譲ったので私の任は終わりました」
 終わったと言うより、半ば強引にこじつけたのだが。
 「新たな参加者の仲介も私がやりたいところですが、仲介者は一人までしか担当できないのが規則なのです」
 嘘である。そんな決まりはない。
 「そこで、この重責をラプンシエル、あなたに引き継ぎます。出場者が試合に臨めるよう充分便宜を図りなさい。出場者は客人なのだから、滞りなく面倒を見るようにね。はい、これ手続きの用紙」
 ラクルラールは、引き出しの中からやっと発見した書類をひらひらと振った。少女は機械を踏まないようにおっかなびっくり歩いて、それを取りに行った。

 「では、よろしくね」
 ラプンシエルは、ベアトリスを連れて退室した。
 ドアが閉まる音を聞いてラクルラールは椅子に深く腰掛け、安堵の吐息を漏らした。これで邪魔者は居ない。研究に専念できる。
 機械のボタンを軽快に叩き始めたラクルラールだったが、ふと疑問が生じた。
 ベアトリスという剣士、ミヒトネッセやラプンシエルを見ても特に驚いた様子は無かった。普通の人間は人形が動き回っているのを見れば取り乱すのが大半なのに。
 「見かけによらず肝が据わっているのね」
 研究には関係ないので、深く考えないことにした。

* * *


 「トリス、すごいぞ。人形が動いて喋っている!」
 「すごいわ、動くお人形だなんて。誰も動かしてないのに!」
 二体の少女人形がお互いを見てほぼ同時に驚きの声を上げるのを聞いて、ベアトリスはシュールな喜劇を見ているような気分になった。

 女剣士が代理として連れてきた出場者は、クルエと名乗った。ラプンシエルと背格好もよく似た自動人形である。
 クルエは人間の人形師に造られたそうだが、ラプンシエルにとって自分が魔力を与えているもので無く、魔王の魂を宿したものでもなく、さりとてラクルラールによって造られたものでも無い人形が意思を持って動いているのは新鮮だった。
 人形師にとっては十三番目の作品になるクルエであるが、他の自動人形に会ったことは無いのだという。

 そこに、もう一体の自動人形が通りかかった。
 「おや、お客様。ラクルラール姉様のお部屋ではなかったのですか?」
 倉庫から戻ってきたミヒトネッセである。
 「私たち、お友達になりましょう!」
 「うむ、なるぞ!」
 メイドに事情を説明するベアトリスをよそに、無邪気にはしゃいで走りまわる少女人形たち。

 唐突に、蹴破られんばかりの勢いで扉が開いた。
 長身の研究者が、怒りをあらわにして立っている。
 「ちょっと、騒々しいわよあなたたち! 研究の邪魔になるから…」
 顔を紅潮させたラクルラールは、不肖の妹にさらなる文句を言い立てようとして言葉を失った。
 興味深い研究対象が居たからだ。
 「なにこれ。お、面白いわ…」
 技術そのものはラクルラールに及ぶべくもなかったが、人間が造った自動人形の随所に凝らされている工夫は、ラクルラール自身が以前考案したものを基調にしてあることが一目でわかった。彼女の著作を読んで勉強した者が造ったに違いなかった。
 魔力も希少素材もふんだんに使って造るラクルラールの人形とは異なり、限られた素材と技術を工夫で補っている人間の自動人形は、まさに具現化された機能美であった。
 「ああっ! こんな方法でクオリアを実装するなんて、考えたわね」
 自分の考えを理解して昇華させた人間が居たことに、久しく抱いていなかった感動に似た気持ちが湧き上がる。
 しかし、ラクルラール以外の者にはその感動が伝わらない。
 はたから見ているぶんには、息を荒げたラクルラールがニヤニヤ笑いながらクルエの前で指をわきわき動かしているようにしか見えないからだ。
 「…お姉様、怖いです」
 ミヒトネッセとラプンシエルが異口同音に言った。

* * *


 「試合がんばってね。私、応援しているから!」
 無事に登録を終えたクルエとトリスを、ラプンシエルが見送った。
 ラクルラールをクルエから引き剥がすのは大変だったが、試合が終わったら訪ねることを約束させられた。
 試合で壊れたところを修繕もしてくれるというから、ただ純粋に自動人形の構造を研究するのが好きなだけなのだろう、と女剣士は思うことにした。
 さあ、次戦はいよいよ敗者復活を賭けたクルエとカスミストの勝負だ。
 少女人形がどのような戦いを見せてくれるのか、ベアトリスの胸は高鳴った。

(おわり)


●設定とか

 ゆらぎの神話として文章に組み込まれると、元ネタがあるのか無いのかわかりにくいですよね。みんなで設定を共有したりしなかったりする遊びなので、念のため注釈。
※注釈が無いものは「ポータル」や「百科事典」などで公開されている設定、または私の創作です。

・イーサケーブル:
 現実世界にある物です。PCを繋ぐLANケーブルの別名。名前の「Ether」がエーテルに由来するのは本当。

・クオリア:
 哲学用語です。「哲学的ゾンビ」と合わせてウィキペってください。クオリアがあるかないかなんて外部から観測しえないけど、ラクルラールはなんかすごいからわかっちゃいます。

・右手の人差し指と薬指で色眼鏡の縁をくい、と持ち上げてから:
 ラクルラールの癖は、こちらからいただきました。
http://flicker.g.hatena.ne.jp/homiya/20070117/1169047252

 こういった注釈を特に義務化する必要は無いと思うのだけれど、私は自分の設定や記述を使って他の人にもどんどん遊んでほしいので適宜つけることにします。元ネタの有無を調べる手間が省けるから二次利用しやすいんじゃないかな、という老婆心。
 老婆じゃないけど心は老婆。
 もちろん「他を参照して書くのなら、元ネタの有無くらい調べようぜ」というご意見もあるだろうし正論だとは思うけれど、私が自主的に調べものを手伝うのは構わないよね。

 さて、ラクルラールが喫煙するという記述は今のところ他で目にしていないのだけど、なんとなく付け加えてしまいました。咥え煙草で作業してそうなイメージだったので。飲み終わった缶コーヒーを並べて灰皿にしてそう。
posted by 黒猫 at 22:35| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

ゆらぎの神話はじめました


 SSのほうが公開が先になりましたが、「ゆらぎの神話」をはじめました。
 「矛盾とか気にせず、ひとつの神話体系の中で物語を作って内容をリンクさせていこうぜ!」という遊びみたいです。
 詳しくは「ゆらぎの神話ポータル」参照。

 他の人が既に記述したテキストがいっぱいあるのでぜんぜん追いきれていませんが、まったり少しずつ読んでいます。その中で、組み込めるところは自分のストーリーに組み込んでいこうかな、と。

 私の場合、ゆらぎの神話を使ったTCGから入っているので、いかにもファンタジーゲーム的な感じではあります。ギリシャとか北欧みたいな、いわゆる王道の「神話っぽさ」は微塵も無いですね。

 ベア子やクルエが登場する時代背景や国家をどれにしようか思案中。
 どこかに、パンゲオン系世界史の教科書みたいな年表と地図は無いだろうか。
 国だの都市だの自分で適当に作れば済む話なんだけど、それは最後の手段で。
 せっかくこういう試みだから、積極的に他の人の設定と関わっていきたいのだわさ。

 そう言えば、キャラ設定を公開してませんでしたね。
 TCGやってない人はなんのこっちゃと思いかねないので、設定だけ貼っておきます。

●ベアトリス

 男装の魔法剣士。
 名家の三女として生まれるが事故で右目を失い、政略結婚の道具としての価値をなくしたと判断され家人から冷遇を受ける。
 以来ベアトリスは剣と魔法の修行に明け暮れ、地位と財力にしか興味が無い一族との決別を果たし自らの力で生きていくことを決意する。
 隻眼のため死角が広いという弱点を克服するため、風属性の魔法で相手を無力化しつつ剣を振るう。

●バーンステインの少女人形

 稀代の人形師であると同時に放火魔でもあった、バーンステインの作った自動人形のひとつ。
 身長4フィート(約1.2m)ほどで簡単な人語を解し、両手に高温の発火装置が組み込まれている。
 装飾の多い服の下に短刀を隠し持っているが、これはバーンステインが自身の作を示すために銘とシリアルナンバーを彫った儀礼用のもので、自動人形が戦闘に用いることはあまり無い。

 自動人形は主人から与えられた唯一の命令「放火」を忠実に遂行するが、命令を独自に解釈して行動しているため捕獲が困難である。
 衛兵から身を隠したり、街を転々と移動しながら火をつけたり、時には一年も放火を休止するなど、放火を継続するためには自己の保身を含めたあらゆる手段を講じる。

 バーンステイン本人はすでに六十件以上の放火と盗掘の罪で処刑されているが、彼の残した数体の自動人形は今なお国内を徘徊しており、「犯人の死後に罪状が増加し続ける」という異例の事態を招いている。
 これは自動人形が法規上「道具」とみなされてしまうからで、罪に問われるのはその使用者となるため。

 なお、現行法の矛盾点は人形師も生前から気づいていたようで、短刀の裏面にはそれを揶揄する意味で「鉄願神セルラ・テリスの名において鋳造す。汝ら罪なし」と残されている。


 テキスト量が3倍くらい違うのは、たぶん愛の差です。たまにはロリコンもいいよね!(AA略)

 あ。関係ないですが、「300」見ました。
 内容はほとんど無い話なのですが、戦闘描写の映像が秀逸なので剣と魔法のファンタジー書きさんにはオススメです。
 ベルセルクの戦闘シーンを実写化したらこんな感じだろうな、という映像で埋め尽くされてます。

posted by 黒猫 at 15:40| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベアトリスと少女人形【その3】


 足を滑らせた少女人形が小さく叫び声を発するのを聞いた時、ベアトリスの体はまたしても、考えるより先に動いていた。
 剣をかなぐり捨て、屋根の縁へ飛びつく。

 傾斜した屋根の高段に居たので、ベアトリスには人形が落ちる先がよく見えた。
 そこにあるのは――鉄製の、柵。
 横から見れば柵だが、上から見た鉄柵はさながら槍衾だ。
 放火を繰り返す無慈悲な自動人形とはいえ、幾柱もの槍に貫かれる無残な末路を迎えて良いという法は無い。
 ベアトリスの篭手は、しっかりと少女人形の手を掴んでいた。

 「なぜ、助けた」
 引き上げられた人形が無機質な声で問うが、返す答えはベアトリス自身も持っていない。
 「知らん。気がついたら助けていた」
 そうとしか言いようが無い。屋根の途中に引っかかっていた剣を拾い上げ、鞘に収める。
 「どうする? まだ続けるなら相手をするぞ」
 柄頭に手を乗せ尋ねる女剣士に、少女人形は困惑した。
 彼女の中に定義されている「戦闘」とは、互いの利害がぶつかった時に己の意思を成し遂げるために行使される排他的暴力だ。
 相手の意思を尊重して譲歩するのであれば戦闘たりえないのに、女剣士は戦闘継続の可否を自分に尋ねた。
 理解できないことはまだあった。
 少女人形の参照する定義において、自分に暴力を為す相手は「敵」であり、自分を助けるものは「味方」であった。
 つまり目の前の女剣士は「敵であり味方でもある」となるが、そのような相手にどう対処すべきかは定義に無かった。

 「お前は、敵か」
 「さあな。貴様が火つけをするなら、敵として前に立つまでだ。そうでないのなら、邪魔立てはしない」
 謎かけのような答えだった。
 放火をするのであれば敵になる。
 命令は絶対なので、放火をしないわけにはいかない。
 しかし、いかなる時も放火をしているわけではない。

 「放火、しない。…今は」
 「そうか。ならば私も敵では無いな。…今は」
 女剣士は大きくひとつ伸びをして、立ち去ろうとした。
 緊張の糸が途切れた途端に眠気がやってきたのだ。宿に戻って、ゆっくり休みたかった。
 本来であれば善良な市民がすべきことは、余罪がたっぷりあるはずの自動人形を縛り上げ、衛兵の詰所に突き出すことなのだろう。
 だが、そんな気分ではなかった。
 そもそもベアトリスは、遺跡から財宝を持ち帰ったり、依頼とあれば傭兵まがいの仕事までする稼業だ。
 善良な市民でございますと胸を張れるような者ではない、と心の中で言いわけをする。

 屋根の上を元来た方へ歩き出したが、スカートの裾を引っ張るものがある。見れば、少女人形が引き止めていた。
 「何だ。用があるのか」
 「お前には借りができた。ついていく」
 驚くようなことを、人形がこともなげに言う。
 ベアトリスはついてこられても困る旨を説明したが、少女人形はよく理解できないようだった。
 簡単に「借りを返す必要は無い」と言っても、定義によってそれは出来ないのだという。人形師がどういうつもりで設計したのかは知らないが、人形は妙に義理堅い性格だった。

 「そうだ、こうしよう」
 女剣士の脳裏に、天啓のように良い考えが閃いた。自分のアイディアに、悪戯っぽい含み笑いが漏れる。
 「貴様、私のかわりにトーナメントに出ろ。新規参加も認めているようだし、次戦の自称カスミストが相手なら私よりいい結果を残せそうだ」
 「トーナメント?」
 「戦いだ。負けても死ぬわけじゃないようだから、気楽にやれ。勝てばなお良いがな」
 少女人形は大きく頷いた。
 これは面白いことになりそうだ。
 自尊心を押し通して、勝ち目が薄い自分が出場するよりも、少女人形を出したほうが勝ちを拾えるかもしれない。
 「安心しろ。対戦する相手に合わせて、戦略は私が練ってやる。もし賞品が出るくらい勝ち上がれたら、山分けにしよう」
 わかっているのかいないのか、少女人形は嬉しそうにぶんぶん頷いている。

 「そうと決まれば、トーナメント期間中は私達は相棒だ。私の名はベアトリス。貴様、名はなんと言う?」
 少女人形は首をかしげた。
 創造主バーンステインは、少女に名前など与えていなかった。
 「名前、ない。十三番目に作られた自動人形。それが、わたし」
 「名無しは困るな。なんでもいいが、何かないのか」
 「ないと困るのか。わかった。考える」
 少女人形は腕組みしてしばし考えた。こうして見ているぶんには、愛らしいただの子供のようだ。さっきまでの猛攻が嘘のようですらある。
 しばらく唸っていたがまるっきり良い考えが浮かばなかったのか、諦めたように少女人形が言う。
 「なんでもいいなら、さっき戦ってるときにお前が言ったのでいい」
 戦闘中に会話をした覚えなど、ベアトリスにはなかった。
 「私が何か言ったか」
 「言った。畜生め、クルエクローキに喰わせろ、って言った」
 ベアトリスは吹き出した。
 「それは貴様に言ったのではない。悪態をついただけだ」
 「名前、なんでもいい。わたしの名前は今日から畜生だ」
 「畜生は駄目だ」
 「なぜだ」
 屋根の上で、おかしな問答が展開されている。
 「お前の名前を呼ぶたびに、私が周囲からあらぬ誤解を受けるからだ」
 「じゃあクルエクローキだ」
 「さっきよりマシになったが、それは伝説の竜の名だ。女の子の名前じゃあない。そして長い」
 もしこの世にクルエクローキという名をつけられた者が居て、それが竜で無いとしたら、きっと猟犬かなにかだ。
 「なら、どうしろと言うのだ」
 「そうだな。せめてクルエにしろ。それならまだ女の子らしい」
 「わかった」
 クルエ。クルエ。クルエ。
 少女人形は満足そうに何度も繰り返した。
 「わたしはクルエ。お前はトリス」
 「違う。ベアトリスだ」
 「長い。トリスにしろ」
 「もう疲れた。何とでも呼べ」

(おわり)


●設定とか

・少女人形の短剣に彫ってある文字はヌト語。
・今回トーナメントに引っ張り出される人形のシリアルナンバーは13。バーンステインが全部で何体作ったのかはわかっていない。人形たちは命令については忠実に遂行するが、創造主に特別な思い入れなどは無い。ローザミスティカを奪い合ったりもしない。
・うたばんスレでベア子を誘ったキュトスの姉妹を登場させようかと思ったけど、敗者復活戦のほうが先になってしまった。24試合目だからなあ。気長に待ちます。


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posted by 黒猫 at 14:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベアトリスと少女人形【その2】


 両手から炎を吹き上げた少女は、その場に似つかわしくない微笑を浮かべた。
 うっかりすると見とれてしまいそうな笑顔だったが、可愛らしい容姿とはかけ離れた凶悪な攻撃がベアトリスを襲う。
 少女の手足の関節がありえない方向にしなり、次の瞬間、引き絞られた攻城兵器が撃ち出す巨岩のような火炎がほとばしる。

 少女は、人間ではなかった。
 人間を模して作られた「人形」だった。

 ベアトリスは酒場で耳にした、ある噂を思い出していた。
 放火魔が作った自動人形が、街を渡り歩いて火つけを繰り返すのだという。人形は少女の姿をしているため、油断した衛兵が何人も焼き殺されているとの話だ。先ほどのボヤも、この人形が起こしたものに相違あるまい。
 噂を聞いた時は莫迦莫迦しいと思って取り合わなかったが、当の自動人形を前にしてみるとそうも言っていられない。

 屋根の上という足場の悪い状況は、ベアトリスにとって不利であった。身の軽い人形と違い、こちらは剣と鎧で身を固めているのだ。
 魔法と剣を使いこなす彼女は、防具にも工夫を凝らしていた。板金鎧は動きにくいため魔法行使に必要な動作がしにくく、かといって軽い革鎧では接近戦で心もとない。そこで板金鎧と革鎧の部品を繋ぎ合わせ、軽さと硬さを備えた独自の鎧を作った。
 ベアトリスの鎧は防具の中では軽い部類であったが、それでも帯剣の重みと併せれば屋根を踏み抜きかねない十分な加重になる。

 転落して全身を打って死ぬか、激痛に苛まれながら身を焼かれるか。後先考えない行動で窮地に陥るのは初めてではないが、今回のは特に非道かった。
 「畜生め。クルエクローキに喰わせろ」
 思わず、あまり上品とは言えない悪態が口からこぼれる。
 しかし、そんな最中にあっても女剣士は取り乱さなかった。
 かつてない危険に瀕していても、なぜか頭の芯は冷めていた。
 少女人形の左右の手がベアトリスの頬をかすめ、『爆撃(イラプション)』と同格の熱気が空気を焼く。
 「まただ」と彼女は思った。
 二連で襲い掛かる火炎攻撃なら、最近そんな技を使う相手と戦ったばかりだ。
 トーナメントで見た、あるいは実際に戦った経験が女剣士に冷静さを与えているのだが、この時はまだ彼女自身も気づいていない。

 撃鉄と自動人形の動きは似ていたが、全く同じでは無かった。
 自動人形の火炎の二連撃を捌くと、今度は人体の可動限界を超えた動きで振りかぶって繰り出される、高速の『斬撃(スラッシュ)』が待ち構えている。
 腕がムチのようだ、とベアトリスは思った。あれだけ動けば、背中を掻くのに困らないだろう。
 そして、こんな窮地でなお他所事を考えていられる自分自身の落ち着きぶりが可笑しかった。

 神経反射が同じ者を比較した場合、最も多くダメージを与えるのは純粋な『斬撃(スラッシュ)』だけを突き詰めた者である。
 にもかかわらず実践において斬撃が補助的にしか使われないのは、剣技には対抗する手段が多いからだ。
 そこで、有効なダメージを与える手段として用いられるようになったのが「剣技によらない攻撃」と「防御を貫通する剣技」だ。
 トーナメントで見た巨躯の鋼鉄髑髏が放つ豪腕はまさしく後者の代表例だが、自動人形の火炎はほぼ前者と言える。
 また、攻撃に特化した者達には一様に同じ特徴がある。
 それは、攻撃を終えた時の…
 「隙が大きいことだ!」
 女剣士の『夜鳴き刃(ナイトシュリーカー)』が、一撃にして自動人形を半壊せしめた。
 トーナメントでは使わなかった、ベアトリスの奥の手である。爆撃と同じ攻撃力を持ちながら、相手を幻惑する効果もある剣技だ。

 少女人形の表情から笑みが消え、不思議なものでも見るような顔に変わった。
 無理もない。
 今まで防戦一方だった相手から強烈な一撃を返され、耐久力の半分以上を喪失したのだ。
 逃げなくては、と人形は思った。
 創造主バーンステインから受けた命令はただひとつ。
 火を放ち、街も人も燃やし尽くすことだけだ。女剣士と死力を尽くして戦うことではない。
 決着をつけたい気持ちも無くはなかったが、負けて壊れればもう放火はできないだろう。
 人形にとって壊れて動かなくなるのは構わなかったが、放火が続けられなくなるのは耐え難い。
 命令が遂行できないのは、存在意義を失うことと同義だからだ。
 くるりと踵を返し、ベアトリスに背を向ける。
 鎧を着た剣士と、小柄な人形。走ればどちらが早いかは分かりきっていた。

 しかし、ここで思わぬ出来事が発生する。
 突然、大地が横倒しになったのだ。
 夜の街並みが垂直に起き上がる。
 「!」
 少女人形はわけも分からず落下していった。

●どうでもいい設定

・ベア子の革鎧部分の表面に張ってあるのは砂蜥蜴の皮。
・少女人形シリーズは、人形師バーンステインが「俺の中でのセラティスたん(ハァハァ)はこんなイメージなんだぜ」というコンセプトで作った。放火魔でロリでどうしようもなく人として軸がブレている人形師だが、造形の腕は確か。


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posted by 黒猫 at 06:37| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月14日

ベアトリスと少女人形【その1】


 怪鳥「撃鉄」に敗れたあの日、ベアトリスは戦闘の本質を垣間見た。
 今まで彼女は、どんな敵と当たっても相手の本領を発揮させないように立ち回ることこそが必勝の策だと信じて疑わなかった。
 しかし、あの火を噴く怪鳥との戦いを経験し、それがいかに甘い考えであるか痛感させられたのだ。

 戦闘の本質。
 例えるならそれは、今にも崩れそうな断崖絶壁に「どれだけ近づけるか」を競い合うようなものだ。
 転落すれば、負ける。足がすくんで近寄れぬ者もまた、負けだ。
 紙一重の差を見極めて、自分が負ける一歩手前までの余力だけ残し、あとは全て攻撃に費やすのだ。
 自分の命を繋ぐことばかりに腐心すると、敵を打ち倒す決め手を欠く。
 真の強者とは命を惜しまぬ滅私の覚悟を持ち、さりとて安易に自滅もしない者を言う。

 撃鉄は気性なのか習性なのか身を守ろうとはせず、まるで勝たねば明日の命が無いという剣奴を見るようだった。
 史実によれば蛮族の王ハルバンデフは闘技場で剣奴を観戦するのを好んだというが、そこでは剣にすべてを賭けた数多の猛者が生まれ、散っていったのだろう。
 猛者といえばトーナメントで見た双剣の娘も、瀕死の瀬戸際まで自身の必殺技を叩き込むこと以外狙っていなかった。
 また、まさか勝つとは思っていなかった愚鈍な吸収生命体も、試合が終わる頃には英雄志望の青年を体内に取り込んでしまった。
 いずれも、自分の技を信じて戦ったがゆえの勝利だ。

 ベアトリスは自身を弱くは無いと思っていたが、それは彼女が今まで命を惜しむ者としか戦ってこなかったからに他ならない。
 「覚悟の重み、か…」
 気がつけば彼女は、食い入るように眼帯を見つめていた。
 ここは木賃宿の二階に借りた個室なので、無残に残る右眼の傷跡を衆目に晒す心配は無い。
 思えば十六で家を飛び出してから、手元に残ったのはこの眼帯だけだ。
 服や装身具は早々に売り払い、剣や鎧に変えてしまった。

 「もう、潮時だろうか」
 つい、弱気な考えが鎌首をもたげる。
 トーナメントの主催者は寛大にも敗者の救済措置を用意してくれたが、その試合での勝算は微塵もない。
 カスミストと呼ばれたあの腐れ病の狂女は、よもや本物のキュトスの魔女だとも思えないが、尋常ならざる魔力が感じられた。
 幼い頃、乳母が枕元でしてくれたおとぎ話の「欠落者」がもし本当に居たとしたら、案外あんな感じなのかもしれない。

* * *


 「大変だ! 火事だ!」
 そんな叫び声で目を覚ました。
 鎧も脱がないまま、椅子で眠りこけてしまったらしい。
 窓を開けて路地を見下ろすと、夜の暗がりに焚き火のような火の手が見える。
 通りの突き当たりにある物置小屋から火が出たようだが、幸い発見が早かった。このぶんだと、類焼の心配も無く消し止められるだろう。
 『霧の防壁(シールドミスト)』でも使えたら消火作業を手伝ったところだが、あいにくベアトリスは今のところ純粋な風属性の魔法しか覚えていない。

 鎧を外して寝直そうかと思った矢先、窓の外に奇妙なものを見た。
 夜陰に乗じて、誰かが屋根伝いに走っているのだ。
 最初は寝呆けて幻でも見たかと疑ったが、そうではない。
 身長百二、三十リートほどの、子供のような人影が逃げるように疾走している。
 進行方向の真逆には、先ほどの火事が見える。
 「まさか、火つけか!?」
 ベアトリスは生来の正義感により、頭で考えるより先に体が動いていた。剣を掴んで、窓から飛び出す。
 そのまま屋根伝いに走って、人影に回り込んだ。

 「何者だ!」
 人影に誰何するが、返答は無い。代わりに返ってきたのは、ニ連続の火炎攻撃だった。
 火炎攻撃は『爆撃(イラプション)』にも匹敵する火勢だったが、女剣士は身を転じて避けた。
 炎に照らされて、一瞬ではあるが人影が鮮明に浮かび上がる。
 あろうことか、その姿は幼い少女のようだ。

●矛盾回避用の個人的なまとめ

・舞台はパンゲオン系の国家
・キュトスの姉妹や紀神の存在は「神話」にすぎないと考えられている
・ハルバンデフについて知っているので、時代は少なくともキャカラーン統一以降
・魔法は周知の事実。魔法についてはTCGルールを採用
・中世ファンタジー系なイメージだったので人名をなんとなくヨーロッパ風にしたが、今さら後悔している


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posted by 黒猫 at 18:34| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ゆらぎの神話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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